2. 採集会報告

 

2018年県内採集会2-東京大学千葉演習林-
筆者は入会して日も浅く採集会は初参加。前夜は年甲斐もなく寝付けないくらいこの日を楽しみにしていた。数日前からマピオン天気図に注目していたが日本列島を縦断するように秋雨前線が停滞し、全国的に強い雨の予報。でも不思議なことに房総半島の演習林のあたりだけは雨雲がかかっていない。会員のみなさまの日頃の行いの賜物と感謝しつつ自宅を出発。JR姉ヶ崎駅で木勢さんの車に同乗させていただき集合地点の清澄駐車場を目指す。途中幅員が狭く見通しの悪い県道市原天津小湊線を、木勢さんの巧みなハンドル捌きで走り抜け定刻に到着。同行される瀬戸さん、渡辺 弘さん、渡辺誠治さんと合流し、演習林の村川さんから注意事項等のレクチャーを受ける。車2台に分乗していよいよ出発である。清澄駐車場から県道を渡るとすぐにゲートがありこの先が郷台林道だ。林道はよく整備されているが凸凹は自然のままで、シイ、カシなどの原生林に囲まれた薄暗い中を進む。そして道幅の狭まるあたりで眼下を見下ろすとゾクッとするような急峻な谷になっている。一方開けた林道からは広大な演習林の樹冠が見渡せる。
ふたつ目のゲートを過ぎて更に暫く薄暗い林道を進むと橋の沢林道との分岐にたどり着く。森林の空気を吸いたい、ムシを探したいと急く気持ちには長く感じる時間だった。車を止めてスグだった。新鮮なカラスアゲハが幻光を輝かせて飛来したが、未だネットの準備ができていない。このカラスアゲハはその後何度か姿を見せてくれた。ここで二手に分かれて探索に向かう。皆さん初めてではないので決定は早い。一組は更に奥まで車を進めて折木沢でルーミスシジミを探すという。もう一組は橋の沢林道探索である。筆者はいろいろなトラップを試したかったのでここに残ることにして、早速オオセンチのトラップを仕掛けた。道路沿いに40個ほど臭豆腐をベイトにしてセット。更にさなぎ粉をベイトにしたオサムシのトラップを30個ほどセットした。藪に入ったのでヒルがついていないか点検しているとやはりついている。その後もチェックするたびに必ず付いていたから、ヤマビルファイターとしっかりした防護は必須である。その後木勢さんと橋の沢林道に入り、行き止まりの岩肌にアンモニア水を散布して飛来を待ったが効果なし。晴れて弱風の気象条件は悪くないと思うので何がムシのお気に召さないのか分からない。昼食は集合して午前中の結果報告、同時に交わされる情報は本当に有意義だ。折木沢の報告はルーミスは多くはないとのことだったが、その後参加者を楽しませてくれた。
午後は二組が入れ替わり筆者は折木沢行きの車で郷台作業所で下車、作業所周辺とスギ・ヒノキの成長測定林地内にさなぎ粉、すしのこトラップを仕掛けた。郷台作業所は現在は無人となっているが、かつての面影を色濃く残しており、機会があれば是非訪れてみたいところだ。敷地内の巨木とその倒木跡にきっと驚くことだろう。こうして郷台林道での初日の活動を終え札郷宿舎に向かったが、記しておきたいことがふたつある。
①橋の沢林道との分岐点近くで踏み跡とも獣道ともつかない植林地に足を踏み入れようとした時、くくり罠を発見。危うく難を逃れたが、警告表示のない罠に注意が必要だ。
②村川さんが沢山のセンチコガネを採ってきてくれた。聞けばあるベイトに集まっているという。詳しくは書かないがキノコ類を食する甲虫類のトラップとして活用できそうだ。
札郷宿舎は部屋割りされていて先に到着された方々は既に周辺の探索に出ている。街灯の下を見ると前夜のセミや甲虫の死骸が落ちている。筆者はここでもオサムシのトラップを酢とさなぎ粉を交互にして3カ所に設置した。今までみなさんが成果を上げてこられたところとお聞きしたが、翌日の結果は芳しくなかった。その頃斉藤修さんはライトトラップのセッティングに、鈴木勝さんはたたき網採集に余念がないご様子だった。
6時から総勢14名が顔をそろえてボリューム満点の夕食、木勢さんが準備して下さったドリンクは有り難かった。しかし、皆さんアルコール類は控えめだ。ライトトラップという大事な仕事があったのだ。食事を終えたひとから順次出撃し、聞けば多くの方が朝まで頑張ったそうである。筆者は久々の山歩きと前夜の寝不足から早々に眠りに落ちてしまい夜間採集の報告ができず申し訳ない。
第2日目は朝食後、帰られる方と郷台林道に入るグループにわかれ宿舎を出発。橋の沢林道との分岐まで車を進める。前夜降水があったようで路面は湿り、ところどころに水たまりもできている。上空は雲の切れ目から陽が射し、時折細かな雨が気になるようなはっきりしない天気。昨日と同じく二組に分かれて行動開始。筆者はまずは前日仕掛けたトラップの回収だ。臭豆腐から始めたが、一晩おいても結果は同じ、コカブト1頭が来ていたのがせめてもの救いだった。オサトラップも赤いアオオサとアワカズサオサ各1頭という寂しい結果。アオオサはテネラルで奇型だった。
午後は岩井さん父子、木勢さんと折木沢でルーミスを探した。数は少なく見つけても長竿よりちょっと高いところに止まってしまう。そんな状況でも太陽君は数頭ゲットできたようだ。その後郷台のトラップを回収したが、植林地内はゴミムシ数種、作業所周辺でマイマイカブリ(テネラル)が入った。ムシの気持ちが読めずにかけるところが悪かったのかがっかり。郷台林道は全体に下草が少なく、路肩に咲く花も少ない。季節的なこともあるがムシやチョウの少ないことと関係あるだろう。
採集記録は別途報告するが、特に目新しい種の記録はない。会員の皆さまとご一緒し親しくお付き合いさせていただいたことが採集記録に勝る成果だと思っている。(小倉康夫)

県内採集会2018東京大学千葉演習林

県内採集会2018東京大学千葉演習林

2018年県内採集会1-市原市大福山-
今年の採集会は5月19日・20日に市原市の大福山で行われました。宿は大多喜町の「民宿さかや」。参加者は私を含めて6名でした。
私は19日の朝城田さんと共に出発し、主に養老渓谷駅から大福山山頂に続く道沿いで採集。丸さん、渡辺さんも道路沿いで採集されていました。道沿いにはガマズミの花が咲いており、小規模ながら材置き場もあって普通種のカミキリはかなり採集出来ましたが、今回の目的であるトガリバホソコバネカミキリは見ることもありませんでした。
宿で龍見君親子と合流し、夕食後大福山山中の広場で丸さんに準備して頂いたライトトラップを設置。蛾はたくさん飛来したものの、気温が低く甲虫はほとんど飛来しませんでした。そんな中モリアオホソゴミムシが甲虫では今回の一番の成果で、千葉県のほぼ南限となるクロナガオサムシも驚きの成果でした。蛾の方はアサマキシタバという千葉県2例目の蛾が採れたのが大きな成果のようでした。またここにはいないと思っていたヒルがいて、被害に遭われた方もいたようです。
翌日は朝食後、梅ヶ瀬渓谷で採集。私の狙いはここの名物でもあるヒゲブトハナムグリですが、少し時期が遅く何とか♀の死骸を拾っただけでした。その他はコニワハンミョウ、ドイカミキリ、ケブカヒメカタゾウムシなど。龍見君はシオカラトンボなどのトンボ類を採っていました。午前中、梅ヶ瀬渓谷で採集し、解散となりました。
今回の大きな目的であったトガリバホソコバネカミキリは確認出来ませんでしたが、アサマキシタバ、モリアオホソゴミムシのほか普通種もたくさん記録出来て良かったと思っています。また私の方はまだ未同定の成果がたくさんあるので、もしかしたら驚きの成果が出てくるかもしれません。(西 泰弘)

県内採集会2018市原市大福山

県内採集会2018市原市大福山

県内採集会2018市原市大福山

2017年県内採集会2-東京大学千葉演習林-
今年7月29日~30日に昆虫調査の一環として東京大学千葉演習林で採集会が行われた。この場所は県内では非常に良好な自然環境が残っている場所で普段は採集禁止になっている。29日の昼の部の参加者は8名だった。清澄ゲートで合流すると早速城田さんがタラノキでセンノキカミキリを採集されていた。集合後、村川さんから注意事項等のレクチャーを受け、ヘルメットを渡されて着用した。普段はヘルメットをする機会が少ないので新鮮だった。3台の車に分乗し、演習林内へ入る。道には水溜りができていてカラスアゲハやモンキアゲハが吸水に来ていた。車内から見てもわかる青い羽は私を魅了させる。車を停めて各々採集ポイントへ。皆それぞれのターゲットを狙って網を振る。私は昨年日暮さんがアオタマムシを採集されたポイントへ足を運んだ。するとすでに城田さんが10m竿を持って待機しているではありませんか。持ち運べる椅子を用意してアオタマを待っていたので熱い思いを感じた。私は先へ進み散策しているとカラスアゲハが飛来して見事ネットイン。ピカピカの完品の♀で再度私を魅了させた。演習林内はモミやツガが多いので晴れ間がでるとオオヨツスジハナなどの普段は見かけない甲虫類も飛んでいた。時々、上をヤンマが通過するが構えていなかったため採集はできなかった。
午前中は渡辺さんが千葉ではあまり記録がないホソバセセリを採集されていた。たくさん採集されたようで皆さん驚いていた。わかめご飯と大量のカロリーメイトを摂取した後は沢林道に入りアオタマのご神木へと足を運んだ。ご神木までの道には特大の糞がポロポロと落ちていた。芋虫坊主としては見つけなければと謎の使命感に浸って探すとオオミズアオの幼虫(XLサイズ)がいた。オオミズアオの幼虫はたくさん見てきたが今回私が見つけたのはヤママユ幼虫サイズの大きさだった。ただ、5mほど上にいたので採集はできなかった。また、目を凝らすと寄生の跡が見えた。改めて自然界の厳しさを思い知らされた。さらに進むとカラスアゲハが雨宿りしているのを発見した。相変わらずの美しさだ。道なりに進むとアオタマムシのポイントへ到着。13時ごろだったのでまだ何も飛んでいなかった。30分程待っても来ず待ちくたびれてしまった。その後、日暮さんと和田さんと合流しその後下へと降りた。その間日暮さんはコガネムシをたくさん採集されていた。和田さんはアシナガバチに刺されたようで痛そうにしていた。下へ着くと作業所があり3人で散策をしました。日暮さんが鹿の糞を見つけて辺りを見回すとオオセンチが落ちていた。私は松でクロタマムシが来るかと思い待機しているとウバタマムシが飛んできました。狙っていたものではなかったがタマムシが飛んでくることの喜びを知った。車に乗り札郷作業所へ向かう途中でリョウブの花がたくさん咲いている場所がありスイーピングをするとオオヨツスジハナカミキリがネットインした。また、ルーミスシジミも見られて良い経験になった。札郷作業所へ向かい荷物を運んだ後、私はベイトトラップをしかけに散策をした。
夕食はカレーライスだ。私は超高燃費ですぐにお腹がすいてしまうので多めに食べた。夕食後は太陽君と糖蜜採集をした。糖蜜にはキシタバやオオシマカラスヨトウ等の普通種しか来なかったがキシタバは何度見ても美しく普通種だけど良い蛾だと思う。マイマイカブリも蜜を吸いに来た。糖蜜を回った後、私は斉藤修さんのナイターにお邪魔して主に蛾を採集させていただいた。よく似ているツクシアオリンガ、アオスジアオリンガの同定ポイントをご教示いただき携帯で写真を撮った。他にはフタモンウバタマコメツキ、ミヤマクワガタを見かけた。太陽君からツガカレハの幼虫をいただいた。私はLasiocampidae(カレハガ科)が好きなのでとても嬉しかった(8月23日羽化致しました。雄でした)。最後にベイトトラップを見るとアオオサムシがたくさん入っていた。美しい赤色だった。時刻は23時30分を回ったとこでしたが猛烈な眠気に襲われダウンしてしまい寝床についた。
2日目の朝、城田さん、渡辺さんが採集されたオビグロスズメを見せていただいた。採集するのがとても難しい種類なので貴重な蛾を見せていただき良い刺激になった。その後は昨日同様、演習林での採集を満喫して採集会はお開きとなった。演習林で採集できるのは年1回と中々できないのでたくさん学んだことがあった。また、地元では見ることのできない貴重な昆虫を見ることができて大満足だった。採集会にたくさん参加して虫屋としての技術と知識を身につけていきたいと思う。(山本真滉)

県内採集会2017東京大学千葉演習林

県内採集会2017東京大学千葉演習林

2017年県内採集会1-野田市-
2017年の県内採集会は野田市で行われた。例年、自然環境が豊かな場所で行われる採集会であるが、あえて今年は東京のベッドタウンとして比較的都市化した野田市が選ばれた。これには野田市が制定した「野田市野生動植物の保護に関する条例」が関係している。この条例は野田市が飼育しているコウノトリを放鳥するにあたって定めたもので(残念ながら放鳥されたコウノトリは早々に野田市を離れたようで、神奈川県模原市で釣りをしていたユーチューバーが動画に撮影しネットに公開されていた)コウノトリばかりではなく、レッドリストに掲載されている種までを保護対象とすることになっていた。そしてこの条例を拡大解釈した一部の市民と捕虫網を持っていた虫屋の間でトラブルが発生する事態となっていた。そんな中、当会会委員である柳澤さんの尽力により、市が用意した腕章を着用すれば採集が可能というところまで事態が好転していた。せっかくなので、その腕章を当会が大々的に利用しておこうというのが今回の目的である。なお、千葉県北西部は採集地として魅力がないことが幸いし、昆虫の報告が少ない地域でもあり、調査によって新たな発見が期待できるというのも理由であった。
今年の採集会では、お花見スポットやアスレチックとしても有名な清水公園のバンガローを拠点とし、野田市の比較的自然が残されている公園などで採集を行った。1日目は三ツ堀里山自然園を昼の調査地点とした。ここはいわゆる谷津地形を公園とした場所であり、中央を流れる小川の水源からその周辺の耕作地や草原、雑木林まで、様々な環境をかなり広範囲に敷地としていた。当日は心配された現地でのトラブルは大きなものとしてはなかったようであるが、声をかけられたり、軽く文句を言われたりしたことはあったようである。私自身も、クリの花を掬っていると作業服姿の方に声をかけられた。別にとがめる風ではなかったが、昆虫に興味はなさそうなのにずっと近くにいる。こうなると厄介である。そこでドクムシ作戦を決行することにした。これは、あえて毒のある虫を見せるという簡単な方法ながら、虫に興味がない人には効果の高い方法である。この作戦は志賀昆虫普及社の生みの親である志賀夘助さんが、山中でライトトラップを行ったところ、山中にともる怪しい光を妖怪か何かと勘違いして集まってきた人々に包囲されたときに使った方法である。昭和初期のことで、下手をすれば殺されかねないほどの雰囲気のなか、一匹のドクガによって助けられたエピソードとして、彼の伝記にのっている。今回はクリの花にたくさん来ていたアオカミキリモドキを使った。いつも思うのだが、毒という単語にとても敏感に反応するのはいいのだが、そこからただ逃げるのは得策だとは思わない。危険だからこそ深く知って対策を立てるのが正しい対応だと思うのだが…おかげで再び採集に集中できるようになったので、志賀夘助さんの偉大さをかみしめることとなった。ここでは谷津の奥地にハンノキの河畔林があり、ミドリシジミを観察することができた。また、山本君がオナガミズアオの幼虫を採集して大変喜んでいた。夕方からは清水公園に戻り、公園の敷地内でライトトラップを行うことになった。この公園も敷地内に小川があったり、コナラの木から樹液が出ていたりと、昆虫を探すには悪くない条件がそろっていた。夜の採集では、斉藤修さんがライトトラップを行い、私も蛍光灯タイプの屋台を一つ立てることとした。残念ながら街灯などの明かりがあり、私の屋台での成果はたいしたものにはならなかった。しかし、城田さんが仕掛けた糖蜜トラップと当日見つけたコナラの樹液にはコガタキシタバやフシキキシタバ、カブトムシ、クワガタムシなどが集まり、私も一緒に回らせてもらいながら楽しんでいた。
翌日は清水公園の近くに広がるため池とその周りの河畔林で採集を行った。私はどうしても水があったら近づいてしまう性質があるため、河畔林の中から池に向かった。そしてにらんだとおり、そこはアカガエルの上陸したての幼生たちの楽園と化していた。池の中洲にはヤナギの大木があり、アオサギやカワウのコロニーがあった。少し前に水鳥のコロニーの下にも独特な昆虫がいると聞いていたが、残念ながら池を渡って木の下へ近づくことはできなかった。ここから先へ進むと、河畔林がハンノキ林に変わった。足元には一面のドクダミが広がっている。ドクダミをかき分けて林に入った瞬間、足元から緑に輝くチョウが飛び立った。鋭く飛び回るそのチョウを目で追いかけると、ちょうど目線の高さの枝にとまった。ほとんど完品に近いミドリシジミである。しばし美しさに見とれてしまう。新緑の中にさらにまぶしく輝く緑色は本当にきれいであった。捕虫網がドクダミの中に埋もれていることも忘れて夢中で写真を撮っていると、やがてハンノキの高いところへと飛んで行った。昆虫とここまで新鮮な出会いをしたのは本当に久しぶりであった。捕虫網をドクダミの中から救出し、採集を続ける。とは言っても、この先でかなり高い枝先にコムラサキのようなチョウを見つけ、何とか証拠写真だけでも撮ろうとしているうちに時間切れとなった。
今回の採集会では、珍品というほどの成果はなかったようであるが、千葉県北西部にもまだ多くの種類の昆虫が生息していることが確認できた。採集禁止などの極端な方向に走るのではなく、適度な距離を持ってこの貴重な自然を守っていきたいものだと思う。(大橋直人)

県内採集会2017野田市

県内採集会2017野田市

2016年県内採集会2-東京大学千葉演習林-
7月30日~31日、今年2回目の県内採集会が行われた。場所は東京大学千葉演習林で、普段は採集が禁止されている。30日の日中は少し風があったが晴れていて絶好の採集日和だった。演習林に入る前に、採集に同行していただく演習林の村川さんから注意事項のレクチャーを受けた。義務付けられているヘルメットの着用は夏だと暑くて大変だが、ヘルメットに大きく「東京大学」と書いてあるので、着用していると頭が良くなる気がした。
数台の車に分乗して演習林内の橋ノ沢林道に到着。ここから皆、自分の目標の虫を探し行動する。中村君や日暮さんはルーミスシジミを狙って沢の方へ、チョウ屋の人達は林道を歩いてアゲハ類などを採集していた。僕は城田さんに一番の目標にしていたネブトクワガタの採れる木に連れて行ってもらい、1ペアのネブトクワガタを採集する事ができた。日中の採集があと1時間程で終わろうとしている時、林道に戻ると日暮さんがモミを見上げていた。見てみるとキラキラ光っている虫がいる。日暮さんの網で届かなかったので僕の網を貸して採ろうとすると、一度飛んだが戻ってきて見事にネットイン!アオタマムシだった。悔しかったが採集する瞬間を見る事ができて幸運だったと思う。
日中の採集が終わり、宿泊地の札郷作業所へ向かった。夜から参加する人達と合流して、夜の採集開始。今回のナイターは斉藤さんと中村君親子が設置してくれた。皆この2つの屋台を行き来する形で採集していた。斉藤修さんの方では、ギンモンスズメモドキがたくさん来ていたのが印象的だった。中村君の方にはガムシが来ていた。また中村君はいつも通り小さい甲虫を次々と採っていて、尊敬するばかりだった。僕は山本君や小田切君と糖蜜トラップを仕掛けたり、2つのナイターを行き来しながら虫の話を楽しんだ。糖蜜トラップではジョナスキシタバを採集する事ができた。途中、城田さんを見かけないなと思っていたら、なんと明るいうちに見つけておいた樹液で日中のネブトクワガタを含めて清澄山で採集できるクワガタを全種類採集していた。その中でも特別大きいミヤマクワガタのオスには本当に驚かされた。この後、僕は2時くらいに寝たが、もっと遅くまで採集していた人もいた。
2日目の31日はうなぎの日という事でなんと朝食にうなぎが出た。うなぎを食べられるとは思っていなかったのでとてもテンションが上がった。この日の天気予報は雨で、集合写真を撮った後から雨が降り出したので採集は厳しいかと思われたが、降ってもすぐにやんでくれたので、あまり濡れることもなく採集ができた。30日と同じように橋ノ沢林道から採集を開始した。皆思い思いの所へ行き、普段入る事のできない演習林を楽しんだ。林道に網を持った人たちが並び、飛んでくるチョウに振り回されているのはとても楽しそうだった。この後2時ごろに解散して採集会は終わった。演習林では県内の他の地域では採集できない虫が多く採集できるのでまた採集会などの機会に入りたいと思った。参加した皆さん、楽しい時間をありがとうございました。(松田卓巳)

県内採集会2016東京大学千葉演習林

2016年県内採集会1-旭市・九十九里海岸-
6月11日~12日に毎年恒例の採集会が行われた。今年は旭市での開催となり、宿は九十九里浜まで徒歩で15分ほどの「大潮」であった。しかし、11日は房総のむらで「田んぼの生物観察会」が行われ、私はその講師をやらせていただいたため、この日はむらがスタート地点となった。観察会では6名の参加者に講師の私、サポートの木勢さん、城田さん、伊藤さん、渡辺さん、むらの職員の方が参加され、どんな生物が出てきても対応できる非常に豪華な観察会となった。また、ちょうどオタマジャクシがカエルになりはじめており、田んぼで生き物を観察するには絶好のシーズンであった。この観察会ではハイイロゲンゴロウ、ヒメゲンゴロウ、シマゲンゴロウが観察できた。小さいとはいえ、ゲンゴロウが3種類もいたことに参加者の方々は驚いていた。また「ナナフシはタナゴなんですよね」というナゾの質問をいただいた。よくよく聞いてみると、どうやらタマゴと言いたかったようで、メスだけで増えることを質問していることがわかった。初めての観察会の講師ではあったが、多くの方の協力のおかげで参加者の方々にも楽しんでいただき、無事に終えることができた。
観察会後はそのまま旭市へと向かい、夕食前には着くことができた。この日の日中の採集では、オオコブスジコガネが採集されたことが最大の成果であった。実は私はオオコブスジコガネという名前をこの日、初めて知ったのだが、非常に珍しく、記録を発表すると騒ぎに発展する可能性もあるということだった。実物を見せていただくと確かに「カッコいい」甲虫であった。夕食後、九十九里浜へと移動し、ナイターが開始された。千葉県昆虫談話会の両生爬虫類部会長というなんだか矛盾した役職(?)をいただいている私は、実は4本足のみならずもっと足の少ないもの(魚貝類)にまで手を出しており、海に行くと漂着物が気になってしまう。まだ日があるうちは波打ち際をウロウロしていたが、今年は今まで見たことがないほど海鳥の死体が多くあった。オオコブスジコガネもこれをエサにしているとのことだったので、探してみたが、結局見つからなかった。私は腐肉採集の準備がなかったため、砂をふるいにかけて徹底的に探すまでしたわけではないが、ビギナーズラックとはいかなかったようである。ナイターではドウガネブイブイが最も多く見られ、コガネムシを中心にガ類もやってきていた。私の成果としては、海岸でオサムシモドキを採集したことと、小川の海から100mほどのところでシュレーゲルアオガエルの鳴き声を確認し、ここまで海に近い所にいることに驚いたことである。なお、ナイターの後は飲み会がさらに遅くまで続いたようであるが、私は力尽きて寝てしまった。二日目は朝食後、集合写真を撮ったところで解散となり、皆それぞれの場所へと散っていった。私はオオコブスジコガネを狙う斉藤さんと宮野さんの「中央博物館号」についていった。海岸沿いの駐車場に車を止め、土を掘り返してみると、難なくオオコブスジコガネが出てきた。レア虫というのが信じられないほどである。ただし、ビギナーズラックはここでも私には縁がなく、斉藤さんから道具を借りたにもかかわらず成果はなかった。なお、その後、この海岸で海にそそぐ小川のほぼ河口の場所で二ホンアマガエルのオタマジャクシを確認し、両生爬虫類部会長の仕事(?)も無事に果たすことができた私であった。東大演習林での採集会と合わせて、毎年場所を変えて行われているもう一つの県内採集会であるが、多くの虫屋の目で一つの場所を見ることはとても有意義であると思う。来年はどこで行われることになるか今から楽しみである。参加者19名。(大橋直人)

県内採集会2016旭市・九十九里海岸

2015年県内採集会-東京大学千葉演習林-
2015年6月6日~7日に演習林の昆虫調査の一環として今年の採集会が行われた。演習林は県内では非常に良好な自然環境が残っている場所で、普段は採集禁止である。そのため、今回は貴重な機会だ。6日の日中の採集には15人ほどの参加があった。演習林からは村川さんが参加され、注意事項などのレクチャーを受けた。落石や倒木などから身を守るため、ヘルメットの着用が義務付けられている。数台の車に分乗し、演習林内へ。数日前に降った雨の影響か、林道に落石があり、取り除きながら、うっそうとした照葉樹林内を進んだ。今回の調査地である橋の沢林道に入り、林道を歩きながら調査した。皆それぞれの獲物を狙って網を振る。参加者中最年少の松田くんは叩き網で甲虫類を採集していた。木勢さんや田久保さん、五十嵐さんといったベテラン蝶屋さんたちは、前回の調査で記録できなかったミスジチョウを複数頭記録して喜んでいた。そして、五十嵐さんが県内では極めて稀なヒオドシチョウを採集し、それが今回の調査で一番の成果となった。糞虫好きな私としては、今回の一番の成果は稀種のアカマダラセンチコガネを3頭採集できたこと。林道沿いの下草の間を飛んでいた。城田さんや嶋本くん、鈴木さんも採集したので、10頭近く採れたのでは。1日でこんなに採れる場所は、全国探してもそうそうないと思う。この虫の生態や食性が不明なことから、私は生態調査しているのだが、どこでも密度が薄く、滅多に出会えないことがネックだ。演習林では多産するので、許可が下りるなら是非生態観察をしたい。今回のもう一つの目標、マメダルマコガネはかすりもしなかった。体長約2㎜だが、フンコロガシの系統なので、逆立ちして糞玉を押す虫である。糞を転がしているところを見たかったのだけど、残念だ。
採集後に村川さんの案内で、演習林の資料館に立ち寄る。数年前の千葉昆の調査で寄贈した標本が展示されているのだ。丁寧に保存展示されていて、ひとしきり虫談義に花が咲く。虫以外にも演習林産の異様に太い杉の横断面や演習林に出没する危険生物標本など意外に面白いものが展示されているので、オススメである。
宿泊地は札郷作業所。ここで夜から参加する人たちと合流した。晩ご飯の焼き肉で、演習林内で捕獲した鹿と猪の肉を食べたが、どちらも美味しい肉だった。演習林内で増えすぎた動物の頭数管理の一環で捕獲して、一般向けにもジビエとして卸しているそうだ。多くの人に鹿や猪の肉が美味しいと知ってもらえれば、流通量が増えて、各地で問題になっている増えすぎた鹿の食害問題も解消できるはず。ご飯を食べ終わると、そのまま焚き火を囲んでの飲み会へ。それと並行して、夜から参加組によるナイター調査。3ヶ所でナイターが行われたが、私は主に斉藤修さんのナイターにお邪魔して、スズメガを横取り?した。この後、私はお酒を飲み過ぎて、激しい頭痛を感じながら、早々に布団に沈んだが、飲み会は夜遅くまで続いた模様。
2日目も演習林の採集を満喫して、採集会はお開きとなった。演習林の環境は良好だし、晩ご飯の肉も美味しいので、できれば年1回は調査に入りたい場所である。(日暮卓志)

県内採集会2015東京大学千葉演習林

県内採集会2015東京大学千葉演習林

県内採集会2015東京大学千葉演習林

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