3月17日午後に中央博物館研修室で、チョウ目交尾器検鏡ワークショップを開催しました。
交尾器は種の同定に有力な手法ですが、いろいろと道具立てが必要になるので、なかなか手を出しにくいというのが実情です。そこで、先ずは体験してみて、カキネを低くしようというのが目的です。
参加は、事前申し込みの6名と当日飛び入りの2名の会員、および保護者1名。これに博物館の斉藤(明子)さんと講師の斉藤(修)となった。
まず、交尾器検鏡の手順を説明して、各自が持参した標本の腹部を薬品で処理。少し時間がかかるので、この間に前日に処理しておいた腹部を配布して、実体顕微鏡下で解剖した。うまくできた人、なかなかうまくいかない人があり、このへんは器用さもあるが、ピンセットの善し悪しにかなり影響されたようだ。次に本番の持参標本の解剖になった。腹部の大きさによって処理時間が異なるため、まだ硬い状態で解剖したり、交尾器の構造がわからないので壊してしまったりと、やはり要領を得るまでは時間がかかりそうであった。うまく解剖できて、持参のコンデジで写真を撮る人、この機会に類似種を同定した人、とりあえず分かっている種を確認した人など、それぞれでした。これを機に、気軽に交尾器を検鏡して正確な同定をする人が増えることを期待します。
文末になりましたが、実体顕微鏡や加温器、シャーレ等の機器を準備・貸与いただいた博物館の斉藤明子さんに感謝します。(斉藤 修)